土と物語が織りなす静謐な造形美——陶芸家・石原稔久の軌跡と真価
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石原の仕事は、大別して二つの軸を持っています。ひとつは皿や鉢、急須や湯呑といった「日常の器」。もうひとつは、人間や動物、架空の生き物を模した「陶オブジェ」です。
しかし、この二つは決して断絶していません。彼の器には彫刻的な削りやフォルムの緊張感が込められており、逆に彼のオブジェには暮らしの空間にそっと溶け込む日常の優しさが漂っています。機能性と鑑賞性が高い次元で融合している点こそ、石原作品の醍醐味です。
手に馴染む実用器の魅力
石原の創り出す器は、見た目の美しさにとどまりません。口当たりの良いリムの厚み、手に持った際のスッとなじむ高台の高さ、注ぎ口のキレの良さなど、使い勝手に対する細やかな配慮が施されています。使うたびに愛着が深まる「道具としての完成度」が、リピーターを惹きつけて止みません。