神道史学の巨星・宮地典秀(みやち のりよし)の生涯:実証史学が明かした信仰の真実
Discover expert summaries surrounding 神道史学の巨星・宮地典秀(みやち のりよし)の生涯:実証史学が明かした信仰の真実 with our comprehensive overview.
宮地典秀の生涯を語る上で避けて通れないのが、内務省神社局考証官としての活動である。戦前の日本において、神社行政の中枢に身を置きながら、一方で独立した研究者としての立場を維持することは容易ではなかった。
当時、政府は「神社非宗教論」を掲げ、国家神道を通じた国民統合を進めていた。宮地は行政官として神社の格式や由緒の審査に携わる立場にありながら、学者としての良識を失わなかった。
制度と学問の狭間で
政治的圧力が強まる中でも、宮地は史料に基づかない神社の歴史的格上げ請求に対して厳格な姿勢を崩さなかった。国家主義的な歴史歪曲に対して、彼はサイレント・レジスタンスとも言える実証的論文を発表し続けた。
戦時下の執筆と資料防衛
太平洋戦争の末期、東京が大空襲の脅威に晒される中、宮地は貴重な神社関係史料の疎開や保護に尽力した。自らの研究成果を次世代に残すため、劣悪な用紙状況の中でも執筆活動を止めなかった。彼の徹底した資料保存運動がなければ、失われていた文化財は計り知れない。