漆黒の小鉢からは想像できない「海の中のヒジキ」:黄金色の生態と潮間帯の小宇宙
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ヒジキのライフサイクルは、私たちが日常的に消費する多くの単年生海藻(ワカメなど)とは大きく異なる。ヒジキは「多年生」の海藻だ。
秋から冬にかけて、岩に残った付着器や主茎の基部から新しい芽が吹き出す。水温が上昇し始める初春、ヒジキは爆発的な生長を見せる。水深の浅い岩場一面を覆い尽くし、太陽光を効率よく吸収して生殖器(生殖器床)を形成する。
芽ひじきと長ひじきの正体
市販のヒジキには「芽ひじき」と「長ひじき」があるが、これらは別種ではない。同じヒジキの異なる部位だ。
- 芽ひじき(米ひじき): 茎から生えている葉のような不規則な突起状の部位。柔らかく口当たりが良い。
- 長ひじき(茎ひじき): ヒジキの主茎や枝の軸となる長くて太い部位。しっかりとした歯ごたえがある。
初夏に精子と卵を放出して受精を終えると、ヒジキの長大な体(地上部)は枯れてちぎれ、海中へと漂い去る。海の中には岩に固着した付着器だけが残り、次の冬が訪れるまで静かに眠りにつく。このサイクルを何年も繰り返すのだ。