阿部悟の軌跡: 自衛隊から日本バイアスロン界を支える指導者へ
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阿部悟の専門性は、クロスカントリースキー単独ではなく、バイアスロンとの複合にある。この二つの競技は密接に関連しているが、決定的な違いがある。
クロスカントリースキーは純粋な持久力競技だ。起伏のあるコースを、クラシカル走法またはフリー走法で滑り、タイムを競う。一方、バイアスロンは滑走に加えて、途中で射撃を行う。心拍数が毎分180を超える状態から、わずか数秒で落ち着いて標的を撃つ。この極端な切り替えが、競技の核心だ。
阿部は両方の競技で実績を残したが、指導者としてはバイアスロンに特化することを選んだ。なぜか。それは、バイアスロンが日本にとってより大きな成長可能性を秘めているからだ。
日本バイアスロンの現状と課題
日本のバイアスロンは、ヨーロッパ諸国と比較して大きく後れを取っている。ノルウェー、ドイツ、フランスといった強豪国は、国内リーグが充実し、若手育成システムが確立されている。
対して日本は、競技人口が限られ、国際大会での上位進出は稀だ。この状況を打破するには、選手個々の才能だけでなく、科学的なトレーニング体系と、経験豊富な指導者が不可欠だった。阿部悟は、まさにその役割を担うために抜擢されたのだ。