デイゴが告げる沖縄の光と影:深紅の花に秘められた歴史、危機、そして再生の真実
Everything you need to know about デイゴが告げる沖縄の光と影:深紅の花に秘められた歴史、危機、そして再生の真実, including essential background.
デイゴは幹に鋭い刺を持ち、大きな三出複葉を広げるマメ科の巨木である。幹は成長が早く、柔らかいため、伝統的な工芸品である琉球漆器の木地(器の土台)として古くから重宝されてきた。木地として加工しても歪みが出にくく、軽やかであるという特性が、琉球の漆文化を陰で支えたのだ。
亜熱帯の生態系を彩るマメ科の巨木
樹齢を重ねたデイゴは、ときに高さ15メートル、幹回り数メートルに達する。枝先から突き出るように咲く濃赤色の花は、蜜を豊富に含み、ヒヨドリやメジロといった野鳥を強く引き寄せる。鳥たちが蜜を吸う過程で花粉が運ばれる鳥媒花(ちょうばいか)としての進化を遂げており、沖縄の初夏の生態系において非常に重要な栄養源となっている。
1967年、県民投票で選ばれた誇りのシンボル
デイゴが「沖縄県の木・県花」に指定されたのは、本土復帰前の1967(昭和42)年のことである。公募によって選出出された背景には、米軍統治下にあった当時の県民が、たくましく根を張り、鮮烈な赤い花を咲かせるデイゴの姿に自らのアイデンティティと復興への意志を重ね合わせたという歴史的推移がある。